2013年5月18日土曜日

人件費を削減したい・・・あなたならどうする?

あなたは、今、会社の財務諸表を見ています。
経営の状態を確認するためです。


収益性は良好か?
安全性は確保されているか?
効率性は良いのか?・・・を見ています。



すると、
昨年より人件費が増えています。
早速、売上高人件費率を調べてみました。

売上高人件費率=人件費/売上高

昨年:35%
今年:40%

5ポイントも増えています。

あなたは、
売上を増やすのは難しいので、人件費を削減しようと思います。
アルバイトを減らして、効率的に現場を回そうと考えました。

そして、
あなたは、現場責任者に
「アルバイトを減らして、人件費を削減する」という指示を出します。

目的:人件費を削減したい
手段:アルバイトを減らす

それだけ?・・・

現場責任者は言います
「今でも人が不足気味なのに、これ以上人を減らすのは無理です」


さて、あなたはどうすれば良いのでしょうか?

ヒントは工場の生産ラインにあります。
日本の生産現場の効率性は世界有数ですよね。

ここに現場を効率的に回すヒントがあるのです。


工場にはラインという生産方式とセルという生産方式があります。

ライン生産方式は、
いわゆる流れ作業のことで、品物がラインを移動するにつれて加工が進んでいくタイプの方式です。
一つの仕事を、細かく分けて単純化し、作業を分担することですね。
スキルが高くない人材でも、ライン生産方式では戦力になります。

セル生産方式は、
一人または少人数で、組み立てから検査までの全工程を担当する方式です。
一人の場合は、全行程のスキルが必要になります。


実は、
全ての仕事はこの二種類に分類できます。

まずは、
仕事をラインとセルに分類してみましょう。

たとえば、
マクドナルドはラインですね。
作業は細かく分担されていています。

それに比べて、
オーナーシェフが一人でやっているフランス料理店は、セルですね。
全ての作業を一人で行っています。

ライン=仕事が分担されている
セル=比較的一人で完結する

という視点で仕事を分けてみましょう。

ラインの仕事を同期させる

仕事をラインとセルに分類したら、
ラインの仕事を工場のライン生産方式のように同期させます。

仕事が溜まっている状態は、工場でラインが止まっている状態と同じです。

仕事が溜まりがちなところを、ボトルネックといいます。

まずは、
このボトルネックに仕事が溜まらないように管理しましょう。
ボトルネックが仕事の早さを決めています。

それでも、効率的にならない!?

それでも効果が出ないときには、
セルの部分のライン化を考えてみましょう。

セルの部分は比較的高いスキルを要求されます。
その部分の仕事を分担することにより、効率が上がります。

仕事を重要な部分と、そうでもない部分とに分け、
重要な部分をスキルの高い人に任せ、他の部分をサポーするというイメージです。


さて、どうでしょうか。
何かのヒントになったでしょうか?


現場責任者から
「今でも人が不足気味なのに、これ以上人を減らすのは無理です」
と言われて、

「それを何とかするのが、現場責任者の仕事です」
などと言ったら、

現場責任者やスタッフはどのように感じるでしょうか?

あまり、いい感じではないですね。
辞めると言い出す人も出てくるかもしれません。

人件費を削減したいから丁度いい?

そんな馬鹿な!


もし、あなたが経営者で、部下に指示を出すときは、

「どのように行うのか?」

ということを一緒に考えましょう。

考えるためには、いろいろな知識やアイデアが必要です。
財務スキルもその一つです。

しかし、そのスキルを
上手に行動につなげるアイデアのほうが、もっと大事かもしれませんね!


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